知ってた⁉️日本の公立校で初のイエナプラン教育校「常石ともに学園」が、広島県福山市に2022年春開校!(2021.6.21更新)

2022年4月に、公立校として初の官民協力によるイエナプラン教育校「常石ともに学園」(小学校)が広島県福山市に開校すること、みなさんご存知でしたか?

学校再編により閉校となる福山市立常石小学校(福山市沼隈町)の施設を活用して、現在は、来春の開校を目指して、官民で協力して準備しているところだそうです。




常石小学校のHPでも、すでに、準備と移行期間としての学校での実際の取り組みが随時報告されています。

子どもたちは,
だれもが世界にたった一人しかいない,
かけがえのない価値を持った存在です。
どの子も,自分らしく成長できる学校
どの子も,互いの価値を尊重し合える学校
どの子も,学びが面白い!と感じる学校
私たちは,
そんな学校の実現を目指します。
(出典:http://www.edu.city.fukuyama.hiroshima.jp

すでに、昨年の10月には説明会が実施され、全国から200名ほどの参加があったそうです。さすが、注目を集めていますね。

21年度の新低学年の受け入れに当たって20年10月に行った説明会には、延べ202名が参加。市内全域の在住者が対象だが、移住者も受け入れており、東京都や埼玉県などから参加した保護者もいた。入学が決まった約20名のうち半分は市外からの応募(出典:https://toyokeizai.net



2019年に、「イエナプラン教育校」創設を発表。

2019年3月4日、広島県福山市議会本会議にて方針が示され、3月8日に、常任委員会で「イエナプラン教育校」を創設する考えが正式に発表されました。

2020年9月には、教育哲学者の苫野一徳さんを囲んでの100人以上が集まる対話集会も開催され、「テストをせずに、どう成績をつければいいのか」「探究型の学習で学力を身に付けられるのか」などの質問に、平川理恵県教育長も含めて対話が繰り広げられる機会もあったようです。

九月、広島県庁の講堂に約百人の教育関係者と二十人の保護者が集まり、教育哲学者の苫野一徳さんを囲んだ。画一一斉教育からの脱却と探究を核とした学習を提唱する苫野さんの著書「『学校』をつくり直す」を読んだ参加者らによる対話集会だ。(出典:http://es-network.org

 

イエナプランとは?

そもそも、「イエナプラン」とはどんなものなのでしょうか?

イエナプランは、1923年にドイツのイエナ大学の教育学教授ペーター・ペーターセンが創始した教育法で、スース・フロイデンタールというオランダ人によって1960年代ごろからオランダで広められ、発展・普及した学校教育のスタイルです。

現在オランダでは、イエナプラン教育を展開する小学校が220校以上あるそうです。

独自の教育コンセプト「20の原則」というのがあり、1人ひとりの個性を尊重しながら3学年の異年齢の児童が30人程度の同じ学級で自立的かつ協働的に学ぶ「異年齢集団で活動」というのが大きな特徴とされています。

日本でもオルタナティブ教育の1つとして、特に多様な教育に意識の高い保護者からの人気が高まっているようです。2019年には、長野県佐久穂町に、国内初イエナプランスクール認定校「大日向小学校」(私立)が開校して、話題を集めていますよね。

2022年春に開設予定「常石ともに学園」は、日本でのイエナプランスクール認定校としては2校目で、日本初の公立のイエナプラン校になります。

イエナプラン教育・・・ドイツで始まりオランダで広がった,「一人一人を尊重しながら自立と共生を学ぶ」ことを理念とする教育プログラム(異年齢のクラス編制等)(出典:https://www.pref.hiroshima.lg.jp




広島県教育委員会も「イエナプラン教育」を後押し

福山市教育委員会の独自の取り組みなのかな?と思いきや、調べてみると、広島県教育委員会も、平成27年度から実施している「小・中学校『課題発見・解決学習』推進プロジェクト」の中で、公教育の学びのあり方について様々な調査や取り組みを実施して検証してきているようですね。

全国に先駆けて「アダプティブな学び(※3)」を取り入れ,全ての児童生徒の「主体的な学び」を実現するため,「Society5.0に向けた人材育成」に示された新たな学校の姿と親和性のある「イエナプラン教育(※4)」や,次期学習指導要領改訂の方向性などを参考として,個別の状況に応じたカリキュラムの在り方について調査研究を行っています。(出典:https://www.pref.hiroshima.lg.jp

前述した、2020年9月に開催の保護者と教育関係者の対話会でも、広島県教育長平川理恵さんが、苫野一徳さんと共に対話集会で以下のような対応をされていることからも、広島県で、イエナプラン教育の実践を公教育ですすめようとしていたことが垣間見れますね。

「テストをせずに、どう成績をつければいいのか」「探究型の学習で学力を身に付けられるのか」-。ぶつけられる疑問に、苫野さんや平川理恵・県教育長が答えた。「内申点をなくす学校もあり、高校入試も過渡期にある」などと説明した苫野さんは「こういう対話を重ねることによって、学校を取り巻く状況は変わっていく」と歓迎した。(出典:http://es-network.org



広島県教育長の平川理恵さんって、どんな人?

広島県教育長の平川理恵さん。実は、過去に横浜市の中学校(市ヶ尾中学校)の校長で、イエナプランを意識した学校改革をされた方でした。その軌跡が本としても出版されています。

このような実績の持ち主だからこその、今回の広島県でのイエナプラン実践校の開設という流れは、なるほどと納得ですね。

横浜の中学校で、30人いた不登校児をゼロにした元校長に話を聞いている。「大人の思い込みを子どもに押し付けては、不登校はな…

他にも、平川理恵さん著書の本、『あなたの子どもが「自立」した大人になるために』も2014年に出版されています。

「常石ともに学園」の名前の由来は?

「常石ともに学園」という校名の由来を調べてみると、以下のように福島市のHPで紹介されていました。「ともに」というのは、「友と共に育 つ」との意味が込められているのですね。素敵な名前ですね!

この校名には,子ども達が「友と共に育 つ」との意味が込められているそうです。 常石小学校のグランドの一角には,「ともに生きる」という石板が あります。常石小学校がこれまで大切にしてきた「ともに生きる」と いう思いは,しっかりと新たな学校へと引き継がれていくのだな,と 感じられる校名となりました。(出典:http://www.edu.city.fukuyama.hiroshima.jp

 




具体的にどんな学校になるの?

気になるのは、公立小学校でどこまでイエナプランを実践できるのか?ということですが、調べてみると、校舎の中も現在どんどん改装されていますし、中身も、これまでの公立小学校では考えられなかったようなイエナプランの学習内容が実践されていくようですね。

福山市のHPで下記の通り記載されているように、イエナプランの特徴である「異年齢集団」や、「4つの活動」(対話、遊び、仕事(学習)、催し(行事や祝い))を基本に、子ども一人一人の個性が尊重される教育内容となっていますね。

教室が「リビングルーム」と捉えられるなど、これまでの公教育では考えられなかった発想ですよね。

〇1~3年生,4~6年生による異年齢集団を基本単位として教育活動を行います。
〇「対話」「遊び」「仕事(学習)」「催し(行事や祝い)」の4つの活動を基本に,子ども一人一人の個性を尊重しながら自立と共生を学びます。
〇教室を「リビングルーム」として捉え,安心して過ごせる環境をつくります。

(出典:https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp

すでに、学校の教室などの改装も進められていて、新しい教室には、黒板のないベンチのあるまさにリビングのような空間づくりが進められているようです。

「昨年から改装を進めていますが、リニューアルを終えた教室には黒板がありません。読書などができるベンチを置き、廊下と教室の境部にあるガラス窓に子どもたちが折り紙を貼ったり、グループリーダーが壁にペイントしたりと、共によりよい学びの環境づくりを進めています」(出典:https://www.sentankyo.jp

宿題も、教科別の時間割もない、「探究学習」重視の学習

日本の公立校では当たり前の教科別の時間割もなければ、一方的なプリントをこなすような期日付きの宿題もないそうです。リビングとされる「教室」で円座になって、様々なテーマについて話し合う「対話」や、好きな場所で個々がやりたいことを選ぶ「遊び」、探究的な協働学習の「仕事」、学びを発表する「催し」という4つの基本活動が主な学習内容となっているようです。

教室での学習活動では、教科別の時間割はない。円座になって様々なテーマについて話し合う「対話」、様々な場所で子どもがやりたいことを選択して遊ぶ「遊び」、自立学習やグループリーダーと共に学ぶインストラクション、本物の問いと向き合い探究する協働学習といった「仕事」、運動会や誕生日会だけでなく、その週の学びを発表する「催し」という4つの基本活動をリズミカルに循環的に行う。

特に身近な素材や環境をテーマに、子ども自身の問いを出発点とした自発的な探究学習が重視されている。宿題も、期日やプリントの枚数を一方的に示すことはない。(出典:https://www.sentankyo.jp

 

福山市、校章デザイン案を募集

現在、福山市教育委員会が、「常石ともに学園」の校章デザイン案を募集しています。
応募締め切りは、2021年6月30日(水)とのこと。

まさに、民間で作り上げる新しい学校という感じで、来春の開校が楽しみでですね。今後も、広島県福島市の新しい学校づくりを見守りつつ、応援していきたいと思います。



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