和歌山県串本町にある「県立串本古座高校」に、2024年度より宇宙専門のコース「宇宙探求コース」が新設されるニュースが入りました。全国の公立高校の中で、宇宙専門コースができるのは初だそうです。
「宇宙探求コース」新設の経緯・目的は?
和歌山県串本町では、宇宙事業会社「スペースワン」による民間ロケット発射場「スペースポート紀伊」の建設が進められています。第1号の民間小型ロケット「カイロス」の打ち上げが今年末ごろに予定されていて、和歌山県として、串本町を宇宙産業の町として盛り上げたい、という期待があるようです。
「宇宙探求コース」では、この宇宙事業会社「スペースワン」とも連携予定で、全国からの宇宙に関心のある生徒を集めて、将来宇宙分野で活躍する人材の育成や、串本町の地域の活性化につなげていきたいという狙いもあるようです。
生徒を全国から受け入れるために、町や地域と連携して、下宿先や学生寮の確保などの環境整備も準備していくそうなので、宇宙に興味があり、将来宇宙関連の仕事につきたいと考えている中学生は、進路の1つとしてこの高校への進学を考えてみるのもいいかもしれませんね!
和歌山県の仁坂吉伸知事は1月12日の会見で、宇宙に関心を持つ生徒を全国から呼び込もうと、串本町にある「県立串本古座高校」に宇宙専門のコース「宇宙探求コース」を新設すると発表しました。(出典:mbs.jp)
(和歌山県 仁坂吉伸知事 1月12日)
「子どもたちが宇宙というものに興味を持って、伸びていってくれたらいいなと」(出典:mbs.jp)
仁坂吉伸知事は同日の定例会見で「宇宙関連産業とその人材育成の両輪で、地域をにぎやかにしていきたい。世界的にも先進的な事業が行われる串本で、時代の最先端に触れてほしい。『全国の宇宙少年来たれ』という思いだ」と述べた。(出典:産経新聞)
「宇宙探求コース」でどんなことが学べる?
「宇宙探求コース」コースは、普通科に新設予定で、生徒数は40人程度が想定されています。
宇宙教育の専門家が教員に採用する予定で、宇宙コンテンツの活用をしながら、ロケット、衛星、宇宙データの活用、天文などが教育課程に盛り込まれるとのこと。宇宙やロケットの仕組みなどを学べる専門科目も設置予定だそう。
また、宇宙関連企業(「スペースワン」)との連携や、JAXA(宇宙航空研究開発機構)からの講師を招いての授業なども検討されいています。今後、有識者による検討委員会が設置され、具体的なカリキュラムなどが組まれていくとのこと。どんな学びが展開されていくのか、楽しみですね!
JAXA=宇宙航空研究開発機構や民間ロケットの事業者から講師を招いて授業をしたり、宇宙教育の専門的な知見を持つ人材を教員に採用したりすることを検討しており、具体的なカリキュラムは有識者の意見を聞くなどして、決めることにしています。(出典:NHK)
県によると、学習内容は、ロケットや衛星、宇宙データの活用、天文などを想定しているが、具体的には近く設置する有識者らによる検討委員会で議論を進めていくという。教員は、宇宙教育の専門的知見がある人を採用し、スペースワンなどの協力も得るとしている。(出典:紀伊民報社)
専門的な知識を持つ人を教員として採用し、宇宙コンテンツの活用などを学べるようにしたいとしています。(出典:mbs.jp)
今後、有識者らでつくる検討委員会を設置し、特色あるカリキュラムを作成していく。宇宙教育の専門家を教員に採用したり、宇宙関連企業との連携や宇宙コンテンツ活用を教育課程に盛り込んだりすることを検討している。(出典:産経新聞)
2022年度から早速「宇宙」関連授業もスタート!
串本古座高校では、この「宇宙探求コース」の新設にともない、2022年度から総合的な学習の時間に宇宙関連の授業を実施する予定となっています。また、2023年度からは、「宇宙」の選択科目も設けられそうで、今後段階的に宇宙コースが整備されている流れとなっているようです。準備も万端に進められていくのですね!
発表によると、24年度の宇宙探究コース開設に向け、段階的に宇宙関連の学習や活動を強化していく方針で、22年度に総合的な探究の時間を活用して宇宙関連学習を開始し、23年度には選択科目「宇宙」を新設する。(出典:和歌山新報社)
同校はコース新設に先立ち、22年度から総合的な学習の時間で宇宙関連の授業を行い、23年度からは宇宙の選択科目を設ける。(出典:時事通信)
「串本古座高校」って、どんな高校?
串本古座高校は、和歌山県の一番下の方に位置する、海に囲まれた自然豊かな場所にあります。周辺に「ラムサール条約」に登録された「南紀熊野ジオパーク」という海があり、その特色を生かした教育が進められいる特色の学びが実践されている公立高校です。
2017年度には「地域まるごとキャンパス構想」として「グローカルコース」が開設。このコースにも全国から生徒の募集がされています。
この他にも、専門学校や短期大学などへの進学を目指す「クリエイティブコース」や、国公立や私立大学、看護系大学への進学を目指す「アドバンストコース」というコースが用意されています。
国際交流にも力を入れていて、アメリカ(へメット高校)とカナダ(バニア高校)の高校と提携があり、毎年毎年交互に訪問したり、海外で2週間のホームステイを体験があったりするそうなので、海外に興味ある学生にとっても良い学びや体験ができそうですね。
串本古座高は以前からラムサール条約に登録された海、南紀熊野ジオパークなどの周辺環境を生かし、特色ある教育を進めており、17年度には全国募集枠があるグローカルコースを開設。新たな宇宙探究コースでも、これまでの取り組みや地域との連携実績を生かすとしている。(出典:和歌山新報社)
「ユネスコスクール」認定校
また、串本古座高校は、「ユネスコスクール」としても認定されていて、「14.海の豊かさを守ろう」と「15.陸の豊かさも守ろう」という目標達成に向けて、積極的に取り組んでいる高校です。
2024年度からは、新たに公立高校で全国初の「宇宙探求コース」ができるということで、全国から宇宙が大好きな若者が集まり、興味深い新しい学びが展開されていく流れが、今後ますます楽しみです!
宇宙好きな子どもや若者にとっても、学びの選択肢の1つとして、チェックしておきたいところですね☆