国の「35人学級」より先駆けて少人数学級の実現☆鳥取県、全国初の小学校全学年「30人学級」へ

鳥取県では、小学校の全学年30人学級」に取り組んでいくことが決まったと発表されましたね!全学年で30人学級が実現すれば全国で初の取組みとなるそうで、末松信介文部科学大臣も1月21日の記者会見で「大変意欲的」と評価する考えを明らかにしています。

そもそも、国が進める「35人学級」はどうなってる?

国は今年度から、小学校で1クラスの上限を40人から35人にする「35人学級」の導入を進めているところで、新年度から「35人学級」を1学年ずつ広げ、5年かけて最終的に2025年度まで全学年で導入していく方針で動いていました。

全国の小学校全学年での「35人学級」化は、2021年3月31日の参議院本会議で全会一致で可決成立した「改正義務教育標準法」によって、正式に段階的に導入されるものとなりましたが、すでに2011年度からは公立小学校の1年生対象に1クラス35人以下とされる「35人学級」が導入されています。

この「改正義務教育標準法」では、2年生から6年生でも、40人以下から35人以下にクラスの定員を引き下げるものとなっていて、それにより小学校全学年での「35人学級」が本格的に進められることになったのです。

2021年11月19日に開かれた全国自治体との協議では、自治体側が教員確保を求める提言書を国に提出しており、末松信介文部科学相は、教員の確保を将来的に検討する考えを示していました。

国の「35人学級化」に必要な先生の数は?

文科省によると、小学校での「35人学級」の実現のために、今後5年間で新たに1万3000人余りの教員や事務職員が必要とのこと。実現のために、ここは大きな課題になりそうですね。

文部科学省によりますと、小学校の「35人学級化」の実現には、今後5年間で新たに1万3000人余りの教員や事務職員が必要ですが、今年度の小学校教員採用試験の倍率が過去最低を更新するなど担い手不足が顕在化していて、こうした中でいかに質の高い教員を確保していくかが今後の課題となります。(出典:NHK

実際は、小学校の9割がすでに35人以下。

ただ、文科省によると、子どもの数が減った影響で、実際は小学校の9割がすでに1クラス35人以下になっているそう。「35人学級」制度に意味が見出されるのは、児童数が多いとされる都市部の学校になるというのが実際のところらしいです。

「35人学級」の実現に5年もかけることになっていますが、5年後にはさらに少子化が進んで、制度化せずとも自然と35人以下になりそうな気配も…!?

文部科学省によると、少子化の影響で、小学校の9割がすでに学級規模が35人以下になっており、「35人学級」制度化の恩恵を受けるのは主に、児童数が多い都市部の学校になる。 (出典:毎日新聞

国の「35人学級」の目的・効果は?

そもそも、「35人学級」が導入された背景、目的や、その効果はどういったことがあげられるのでしょうか。

2021年3月31日の参議院本会議で全会一致で可決成立した「改正義務教育標準法」は、新型コロナの感染拡大における教育現場の混乱、学習の遅れなどが問題化しそれが契機となったものだそうですが、それ以前より、萩生田前文部科学大臣少人数学級の意向を示していたことや、Society5.0時代の到来、多様な学び、ICT活用 「個別最適な学び」などの実現など、1人1人に応じたきめ細やかな指導をすることを目的として、公立小学校の学級編制の標準を引き下げる内容になったということが、「義務標準法改正案をめぐる国会論議」により記されています。

本改正案は、前述のとおり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機としたもので あるが、萩生田文部科学大臣からは、かねてからの少人数学級に向けての意見や、 Society5.016時代の到来や子供たちの多様化の一層の進展も踏まえ、安全・安心な教育環境の下、ICT等を活用した個別最適な学びと協働的な学びを実現し、一人一人に応じたきめ細かな指導ができるよう公立小学校の学級編制の標準を引き下げることにしたとの説明がなされた。 (出典:義務標準法改正案をめぐる国会論議

これらの参考記事からまとめると、以下の3点が、「35人学級」化の目的、効果としてあげられそうですね。

  1. 個々の児童に合わせた、きめ細やかな指導を可能にする
    →不登校の児童減少、学校が楽しい児童が増える、子どもが落ち着くなど
  2. 保護者対応など教員の負担を減らす
  3. 新型コロナなどの感染症対策になる

この教員は「学級の人数が少ない方が端まで指示が通りやすく、(教室内の児童を個別に見て回る)机間(きかん)指導もしやすい」と話す。(出典:毎日新聞

1学級の人数を減らすことで、児童一人ひとりの理解度に合わせたきめ細かな指導が可能となり、保護者対応など教員が抱える負担の軽減にもつながると期待されている。また、新型コロナウイルスの感染対策として、教室内の「3密」を避ける効果があると見込まれている。(出典:読売新聞

学校再開に当たり、密を避けるため、学級を分割して分散登 校を実施した学校では、「個々の子供に目が行き届き、つまずきの把握や声かけの量なども 全然違った」「子供たちが落ち着いていた」等の声や、不登校の児童生徒が減少したとの報 告があった10。保護者からは「学校が楽しいと子供が出かけていく」との感想も示されるな ど11、学級規模が少人数であることの効果に注目が集まった。(出典:義務標準法改正案をめぐる国会論議

自宅学習におけるICTを活用した教育に向けた体制整備とともに、 休業による学習の遅れが生じないよう教員が児童生徒の学習の進捗状況や理解の度合いを把握し、一人一人にきめ細かな指導を行うことが求められた。(出典:義務標準法改正案をめぐる国会論議

鳥取県の小学校「30人学級」化の目的・効果は?

鳥取県の「30人学級」化の目的としては、教員が児童に接する時間を増やして、学力向上や、児童に寄り添った教育を進めるのが狙いだそう。

また、いじめ防止などの効果や、新型コロナのような感染症にも対応しやすいとのメリットを、鳥取県平井知事は強調して説明しています。

平井知事は、30人学級化で新型コロナウイルスのような感染症にも対応しやすくなるほか、いじめ防止などの効果もあると強調した。(出典:新日本海新聞社

また、特に低学年は主体的に考える力や、考えを述べる力が養いやすいと、県教育人材開発課は少人数学級のメリットを述べていて、保護者からも30人学級導入の要望の声が多く上がっているそうです。

県教育人材開発課は「1、2年生は、主体的に考える力や考えを述べる力を養いやすくなっている。保護者からも導入の要望が多い」としている。(出典:yahoo

鳥取県の「30人学級化」の目的、効果はまとめると以下の点があげられそうですね。

  1. 先生が児童と接する時間を増やす
    →児童に寄り添った教育、学力向上を目指す
  2. いじめ防止の効果
  3. 新型コロナなどの感染症対策になる

鳥取県は、2012年度にすでに「35人学級」実現していた!

鳥取県では、すでに2012年度から県独自の方針で小学校で「35人学級」を実現していており、全国でも先駆けて少人数学級化に取り組んできていました。

その後、1年生と2年生で「30人学級」を導入していていて、その効果も見られたのか、3年生以上の学年にも30人学級」を適用していこうという流れがあったようです。

鳥取県、いつ小学校全学年「30人学級」が実現する?

2022年度以降は、3年〜6年生でも段階的に35人学級から30人学級へ移行して、2025年度には30人学級を完了する見通しだそう。

鳥取県、先生の確保の計画はどうなってる?

2022年1月24日の行政懇談会で19市町村長の同意を得たことで決定が発表されましたが、そこで、先生の人数や対応力、指導力、教室数の確保に関してなど、様々な課題があがったそうです。

平井伸治鳥取県知事は、「30人学級」の実現に必要な先生の数、条件などを整えるための準備や整備に、意欲的に取り組む考えを示していて、先生の数に関しては、年間約20人、4年間で計80人程度増やしていくとのことです。

これに伴い、教員を年間約20人、4年間で計約80人増やす。(出典:yahoo

最終的に、全国の公立小中学校で「30人学級」へ?

末松信介文部科学相は、小学校での「35人学級」について、中学校でも目指す考えを示していて、最終的には、小学校も中学校も1クラス「30人学級」が望ましいとの認識を示しています。

2021年11月19日に開かれた全国自治体との協議でも「(公立小中の)30人学級はあきらめていない」と強調し、その整備に対する意欲を見せていたそう。

末松信介文部科学相は22日、公立小学校の全学年で2025年度までに段階的に導入する「35人学級」について、「一人一人に応じたきめ細かな指導の必要性は中学校においても変わらない」と述べ、中学校でも目指す考えを明らかにした。また、将来的には小中学校とも「30人学級」が望ましいとの認識も示した。(出典:毎日新聞

末松氏は冒頭、「(公立小中の)30人学級はあきらめていない」と述べ、少人数学級のさらなる充実に向けた教員の確保を将来的に検討する考えを示した。(出典:jiji.com

まとめ考察

今回、鳥取県が小学校全学年で「30人学級」化の導入が決定したということが発表されたことで、改めて、国も推し進めている「35人学級」が注目されたような気がしますね。

公立小学校での1クラスの人数は、少なければ少ないほど、1人1人に合った学びが実現可能になりやすいという認識はあるので、1クラスの少人数化は大賛成ですし、できる限り、国も、鳥取県の動きえお見習ってもっと早く動いてその実現化を目指して欲しいなと思いました。

と、同時に、やはり、国も鳥取県でも、そのための先生の確保というのは、大きな課題になっているようで、ただ数を増やせばいいというのではなく、新たに採用するにあたって、その先生の人間性、特に過去に性犯罪などの犯罪歴がないかなどの採用におけるチェック体制も同時に進めてほしいです。

鳥取県では、2025年度には「30人学級」を全学年で実現するということで、その実現で、鳥取県の公立小学校がどんなふうに変わったかなど、気になりますし、また楽しみでもあります!

おそらく、全国初で前例でモデルとなっていくと思うので、鳥取県にはぜひ頑張って実現して、子どもたちのたくさんの学校での笑顔を増やして欲しいなと願います。

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